震災によって見えてくるもの

2011/03/19

今日の19時過ぎ、一人で自宅周辺を歩いていた時に震度4の地震がありました。

近くのビルのガラスがいっせいにガタガタと音を立てて揺れ出してとても怖かったんですが、揺れが収まると(僕を含めた)近くにいた見ず知らずの人同士が誰からともなく話を始めて「怖かったですね」「大丈夫でしたか」「どこか壊れてないですかね」といった状況確認からやがて「同じ市民ですから困った時はみんなで助け合いましょう」「被災していない我々が元気でいないと世の中が明るくならないですもんね」「子供達が笑顔で暮らせるような社会を我々大人が作っていかないとね」という話に自然に広がっていき、「僕は大工なんで建物が壊れたらどんどん直しますよ」とか「私は役所の人間なので市民のみなさんに正しい情報を提供します」といった役割の話に発展しました。そして最後は「みなさん、お気をつけて」という挨拶とともに笑顔で別れました。

時間にすれば10分にも満たないこの初めての体験を通じて、バブル崩壊後に日本人が自信を失くし世の中全体が萎縮していく傾向にあったのがなんだか小さいことのように思えてきて『この国はきっと大丈夫。日本人は有事の時には強いんだ。みんながお互いを思いやり自分の責務を全うする誇り高い民族なんだ』と確信しました。

今回の震災を通して日本人全体が「生きること」「人として大切なこと」「自分になにができるのか」といったことを真剣に考えるようになったと思います。批判や愚痴ではなく各々が主体性を持って物事を捉えていくきっかけになったと思います。

娘が大きくなった時に「やっぱり日本に生まれて良かった」と思える社会を作っていきたい。心からそう思っています。