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擬似単語登録(アドレスブック)

2008/11/22更新

対応バージョン: OS 2.2

iPhoneにはユーザ辞書の登録機能がないが、以下の方法で実質的にこれを実現する方法がある。

Mac OS Xのアドレスブック(*1)はvCardやLDIF(*2)をサポートしているので、例えばLinux上で使用しているAnthy(*3)のユーザ辞書のデータをvCardに変換してアドレスブックに一括登録することもできる。

(*1) アドレスブックはバージョン4.1.1を使用

(*2) LDIFは読み込みのみサポート

(*3) フリーな日本語入力システム

以下にAnthyのユーザ辞書からvCardを作成する手順を示す。他の辞書でもvCardに変換すれば同様に扱える。

% cat ~/.anthy/private_words_default
なお #JNM*1000 夏桜
こや #T35*1000 小舎
わちゅう #T35*1000 話中

% awk '{printf("BEGIN:VCARD\r\nVERSION:3.0\r\nN:辞書;%s\r\nX-PHONETIC-FIRST-NAME:%s\r\nX-PHONETIC-LAST-NAME:じしょ\r\nEND:VCARD\r\n\r\n",$3,$1)}' \
~/.anthy/private_words_default > dict.vcf

% cat dict.vcf
BEGIN:VCARD
VERSION:3.0
N:辞書;夏桜
X-PHONETIC-FIRST-NAME:なお
X-PHONETIC-LAST-NAME:じしょ
END:VCARD

BEGIN:VCARD
VERSION:3.0
N:辞書;小舎
X-PHONETIC-FIRST-NAME:こや
X-PHONETIC-LAST-NAME:じしょ
END:VCARD

BEGIN:VCARD
VERSION:3.0
N:辞書;話中
X-PHONETIC-FIRST-NAME:わちゅう
X-PHONETIC-LAST-NAME:じしょ
END:VCARD

尚、以下の点に注意すること。

文字コードは「UTF-8」にする必要がある。
改行コードは「CR」+「LF」にする必要がある。
登録データを50音順に並べた時にひとかたまりになるようにするには名前の性の部分を便宜的に「辞書」とするなど工夫が必要である。上記の例ではそれを実施している。
「CATEGORIES:辞書」などとしてもアドレスブックのグループには自動登録してくれない。

このvCardファイルをいったんMac OS Xのアドレスブックで読み込み、iPhoneと同期すればiPhone側でも使用可能になる。

(2008/9/13追記)

iPhoneソフトウェア2.1ではアドレスブックの情報を変換候補として使用しなくなったので上記の方法は使えない。

(2008/11/22追記)

iPhoneソフトウェア2.2でアドレスブックの情報を変換候補として使用することになったのでこの方法が再び使えるようになった。