「LinuxWorld OpenSolutions Conference 2007」行ってきました

2007/09/27

LinuxWorld OpenSolutions Conference 2007」に行ってきました。

普段行っているカジュアルなセミナーやイベントと違って久しぶりにビジネス寄りの雰囲気が漂う内容でした。

今回は「オープン」「仮想化」がテーマで講演やデモンストレーション、パネルディスカッションなどが行われたわけですが、テーマ毎にそれぞれ以下のような感想を持ちました。

「オープン」

ビジネスなので収益化が前提であるが、そこに固執するとコミュニティの活用は難しい。
とはいえコミュニティ主導だと開発者は興味のある分野にリソースを集中してしまうので、逆に企業がその足りない部分を受け持てば各々のプロダクトとしてバランスが取れると思う。
コンシューマ向けサービスのように、これからはエンタープライズ分野でもシステムを最初からフルスペックで構築するのではなく、まず必要最低限の実装からスモールスタートしてユーザやコミュニティのフィードバックを得ながら開発・運用していく方向に向かうだろう。

「仮想化」

サーバの集約化によってコスト削減効果が期待できるいっぽう、運用の変更・障害時の影響度拡大といった問題も発生するので両者のバランスを取るのが難しそう。
仮想化環境でのOSやアプリの挙動が不安(以前、とあるバイナリトランスレータで苦労した経験あり)。
とはいいつつ、開発者の視点からみるとより少ないハードウェアリソースでマルチプラットフォームの開発ができるのは魅力。

といったところです。

「オープン」については普段からOSSやオープンな文書フォーマットなどで慣れ親しんでいるのでこれからもオープン化の流れは止まらないと思いますが、「仮想化」については正直今まであまり縁がなかったので半信半疑ではありつつ興味深く見させて頂きました。

全体的に企業システムのライフサイクルをきちんと考えたお話が多く、「データの永続性と移行」「障害時の対応」「課金管理」「ユーザトレーニング」といったOSSコミュニティではあまり話題にのぼらない部分にもしっかり踏み込んでいて、両者はお互いの足りない部分を補完できる良い関係になれるのではという感想を持ちました。