2008/08/20
グラフィックデザイナー・アートディレクターの佐藤卓さんが手がけた2009年版の「ほぼ日手帳」のデザイン発表イベントに行ってきました。
当サイトには普段IT系のことしか書かないのですが、我がIT業界にも当てはまるような気付きがいろいろありました。
ホストの糸井重里さんと佐藤卓さんは同じく広告屋さん出身でありながら(だからこそ?)、広告にかけるお金や労力があったらそれをよりよい物を作る方向に使っていきたいという点で一致しているそうで、そんな共通の思考ベースを持つお二人の話の中から感じたことをメモしておきます。
デザインとは、見た目だけでなくそれを使う人の習慣や感性をも変化させるほどの影響力を持つ。よって、それを使う人のライフスタイルまで想いを至らせてはじめて良いデザインが生まれる。
全体を俯瞰することと細部に執拗にこだわることは補完関係にある。「木を見て森も見る」ことが重要。
何かを足すデザインではなく、引く勇気を持ってこそそのモノが持つ本質が見えてくる。
最初から用意されている正解などない。気が遠くなるほどの試行錯誤のプロセスから「腑に落ちる」ものを見つけていく。これがプロの仕事。
もはや物量や勝ち負けの時代ではない。当事者としてはそこを競うのも一つのモチベーションになるが、一方で人間は皆違うもの。共存・共栄の道を模索していくほうが自然に、より人間らしく生きていけるのではないか。
お二人の話を聞いていて、モノを作るのにこれほどまでにこだわりを持って取り組んでいけるのか、どれだけ真面目に面白がれるのかといった部分にとても感銘を受けると同時に、僕はまだまだ修行が足りないと感じました。