2009/02/21
「オープンソースカンファレンス2009 Tokyo/Spring」に行ってきました。
どの会場も熱気に包まれていて、同じIT業界の人達と過ごした一日はとても心地良いものでした。
以下、参加したセミナーと会場展示で気になったソフトウェアの感想です。
「Linux Printing標準化の現状と将来」
Linuxの印刷環境はWindowsやMac OS Xなどに比べて大きく劣っているという現状、その理由には歴史的経緯があり、以下のようないろいろな問題が関係しているもののOpenPrintingという形で少しずつ前進しているというお話でした。
プリンタを繋いでもPlug and Playで適切なドライバを設定してくれない。
そもそもプリンタメーカからのプリンタドライバの供給が少ない。
DTPの世界ではPDFワークフローが中心になってきているが、LinuxではいまだPostscriptワークフローが中心である。
マルチバイト処理が未完成。
OS全体での統一されたフロントエンドが整備されておらず、アプリケーション毎に個別の方法が採られている。
自分自身、Linuxはサーバ用途やプログラム開発などに使っていてあまり印刷環境整備の必要性を感じていなかったので、確かにデスクトップ用途として使うには貧弱な環境だと思いました。
(参考サイト)
日本Linux協会 opfc - 共通のオープンプリンティングシステムの開発 Common Printing Dialog - Open Printing企業製品開発のためのOSSライセンス入門
OSSのライセンスの種類と、それを企業製品に組み込む場合の対処法をライセンス毎に分かりやすく説明して頂きました。
このあたりに不慣れな企業や開発者には講師のかたの所属企業であるNECでOSSライセンス・コンプライアンス コンサルティング・サービスをやっているそうなので利用してみるのもいいかもしれません(有償)。
また、任意のコードの中からOSSのコードが含まれているかどうかを検出してくれるprotexIPというソフトが同じくNECによって販売されているので必要に応じて使ってみる手もありますね。
(参考サイト)
OSSライセンス入門 - @IT【特別授業】まつもとゆきひろ x 日本電子専門学校オープンソースシステム科
今回のカンファレンスの会場となった日本電子専門学校のオープンソースシステム科2年生の卒業制作となるWebシステムについて、Rubyの生みの親であるまつもとゆきひろさんが各システムを評価して優秀作品を決めるという内容で、後半は生徒さんからの質問にまつもとさんが答えるという趣向でした。
まつもとさんはどんな質問にも丁寧に、かつユーモアを交えてお話されるのでとても聴きやすく、またプログラミングやコンピュータサイエンスが本当に好きなことが伝わってくる内容でした。
僕もインフラという自分の好きな分野でお仕事を頂いていて幸せな人生だと思っているので非常に共感を覚えるとともに、これからエンジニアになっていく学生さん達にも大いなるエールになっただろうと思いました。
(参考サイト)
【特別授業】まつもとゆきひろ×日本電子専門学校オープンソースシステム科 (その1)MySQLをパワーアップ! MySQLサポートツールを使ってみよう
MySQLを便利に使うためのツールの紹介で、クエリアナライザや他社製品からのマイグレーションツールといった基本的なツールの他に、クライアントからのクエリをいったん全て横取りして解析する仕組みであるMySQL Proxyがシンプルでいて強力なツールとして使えることが分かりました。
また直接MySQLとは関係ないものの、分散キャッシュ機構や冗長化を実現するmemcashedやDBRD+Heartbeatも紹介されていました。これらを組み合わせて使うことによってより高速で可用性の高いMySQLの運用が可能になると思います。
(参考サイト)
日本MySQLユーザ会統合運用管理ツール「Hinemos」の紹介
NTTデータが開発しOSSとして公開されているHinemosの紹介です。
デモを見せてもらいながら担当のかたといろいろお話して同種の他ソフトでできることは当然のこととして、特に以下の利点があると思いました。