僕が人を好きになった理由

2008/12/09

最近とても良い出会いが多く、若いころ人嫌いだった僕がなぜ人を好きになったのかについて書いておきたくなり、突然ですが書いてみます。

小さい頃僕は家が貧乏だったりみんなより田舎に住んでいたこともあってよくいじめられました。少し大人になってからは今度はいじめられはしなかったものの何をやってもうまくいかずに自暴自棄になっていた時期が長く、当時はこのまま自分はどうなってしまうんだろうと不安でいっぱいでした。

それが成人してからも数年続いたのですが、20代半ばになって今の仕事(インフラ系エンジニア)に目覚めてからは少しずつ事態が好転していきました。

夢中になれるものを見つけたおかげで自分の軸が定まり、心にも余裕が出てきて人のことを羨んだり嫉妬したりしなくなり自分の気持ちが他の人の言動や態度に左右されなくなってきたのです。

ちょうどその頃結婚して「あぁ自分にも人並みに結婚ができるんだ」と思ったことも大きく影響しています。

子供という宝物も授かり、子育てに悩んだ時もありましたが何年もかけて少しずつ要領を得るようになってきました。

あれから10年。家族を含めいろいろな人と出会い、心に残る言葉をたくさんもらいました。それが今の自分を形作りこれからの元気のもとにもなっていくと思います。ただただ感謝です。

いい機会なのでいくつか紹介しておきます。

昔アパートに住んでいたときにその地区を担当していた宅配便のお兄さんに「いつも走って大変ですね。ノルマきつそうですもんね」と言ったところ...

「一つ一つの荷物はただの『物』じゃないんです。誰かが誰かに宛てて差し出した『心』なので、早く送り主さんの気持ちを届けてあげたくてつい走ってしまうんです」

料理研究家の知人の言葉

「料理を通じてみんなが笑顔になるように、そのお手伝いをしてあげたい」

ミュージシャンの知人の言葉

「自分の歌が人に元気や安らぎを与えられたらこんなに嬉しいことはない。生活は苦しいけど、喜びはお金に勝る」

重い病気を扱う病院の看護婦をやっている知人が自分の仕事の意義について

「たとえ患者さんが長く生きられなくても、その人の人生に私が少しでも関われたのならとても意義のあることだと思っている」

数年前にやっていた地域コミュニティをやめるときメンバーからもらった言葉

「○○さん(僕のこと)のおかげで地元が好きになりました」(僕と同じく外部から引っ越してきたかた)

「○○さんの活動が社会人になる上での僕の方向性を決めるきっかけになりました」(学生さん)

「○○さんの活動は地域の発展に大きく貢献したよ」(街づくりに携わっているNPOのかた)

手作り作家の友人が自分の作る作品について

「この手作りの温もりを人から人につないでいって、みんなにあったかい気持ちになってもらいたい」

地元で駄菓子屋をやっているおばちゃんになぜこのお店をやることにしたのかを聞いて

「最近は子供達が塾だのお稽古だの息苦しいでしょ。だから地域の子供達が特に意味もなく集まって気を抜ける場所を作ってあげたいのよ」

警官をやっている友人に「立派な仕事だね」と言ったら

「こんな職業、本当はないほうがいいんだ。それは世の中が平和な証拠だから。ま、俺は失業するけどね(笑)」

いつも夜中まで仕事をしている(主に僻地の)橋梁設計士の友人が自分の仕事感について

「俺は橋を作ってるんじゃない。地域の人達の足を作ってるんだ。だから絶対に手を抜かない」

いつも悩みを聞いてくれた恩師(両親の友人)の最期の言葉

「○○君(僕のこと)のお父さんとお母さんにはとても世話になったから少しでも○○君の役に立てればそれが二人への恩返しになるんだよ。恩義というものはそうやって人から人に伝えていくものなんだ。次は○○君が誰かのために力になってあげて欲しい」

などなど、素敵な言葉をたくさんもらいました。

一方、悩みや不安、辛いことや苦しいことも生きていれば当然たくさんあります。そんな人間臭い部分を全部ひっくるめて受け入れられるようになってきたおかげで人がどんどん好きになっていきました。

自分を取り巻いている殻を脱ぎ捨てて素の状態で人と向き合えば相手の魅力的な部分が見えてくることも分かりました。

「○○だからいい」とか「○○だからダメ」といった条件付きでなく、みなそれぞれ別の人間でその人のありのままを受け入れればお互いがとても心地よい関係になれるのです。

やはり人は一人では生きていけない。これからもいろいろな人と関わりあいながら生きていきたいと思っています。